鍵メーカー「美和ロック(MIWA)」と親密な上場企業の詳細レポート

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結論・投資家向けハイライト
美和ロック株式会社（MIWA LOCK）は国内住宅用錠前市場でシェア60％超を誇るリーディングカンパニーであり、2020年度には売上高504億2,千万円、純利益54億6千万円を計上しました。これまで培った高い製造技術と販売網を背景に、IoT・スマートロック市場への進出を加速する合弁会社「MIWA Akerun Technologies」を、上場企業フォトシンス（証券コード：4379）との間で2021年1月に設立。フォトシンスはグロース市場上場後、PER約17.8倍、PBR約2.3倍、ROE7.59％、自己資本比率62.1％を維持し、クラウド鍵管理システム「Akerun入退室管理システム」を主力として収益基盤を強化しています。両社のシナジーは住宅領域のキーレス化・サブスクリプション化を加速させ、今後のレジデンス＆スマートホーム市場拡大を捉えた成長投資先として注目に値します。photosynth+2

I. 美和ロック株式会社の企業概要
II. 上場企業フォトシンス株式会社（証券コード：4379）の概要
III. 合弁会社「MIWA Akerun Technologies」の役割と展開
IV. 成長戦略と投資家視点
1. 1. 市場機会
2. 2. リスク要因
3. 投資ポイントまとめ

I. 美和ロック株式会社の企業概要

1. 基本情報

社名：美和ロック株式会社（MIWA LOCK Co., Ltd.）
設立：1945年5月5日
本社：東京都港区芝3丁目1番12号
資本金：6億1,000万円
従業員数：1,423名（2021年4月1日現在）
事業内容：建築用錠前、工業製品用錠前、セキュリティシステム及び関連機器、サッシ金具、建築金具の設計・製造・販売・施工・メンテナンス等miwa-lock

2. 国内市場シェアと沿革

国内錠前市場における出荷額シェアは60％超を誇り、日本有数のトップメーカーとして君臨。wikipedia
創業以来、工場疎開、戦後の錠前開発、公団住宅用錠前の指定メーカー化などを経て、1972年に「美和ロック工業」、1993年に現社名「美和ロック」に改称。現在、国内5ヵ所の工場（伊勢、玉城、盛岡）と国内主要都市・海外（米国シカゴ）に拠点を展開。wikipedia

3. 直近業績

2020年3月期売上高：504億2千万円、当期純利益：54億6千万円を達成。底堅い国内需要と防犯ニーズの高まりが業績を支える。photosynth

II. 上場企業フォトシンス株式会社（証券コード：4379）の概要

1. 基本情報

社名：株式会社フォトシンス（Photosynth Inc.）
証券コード：4379（東京証券取引所グロース市場）note
設立：2014年9月1日
本社：東京都港区芝5-29-11 G-BASE田町15階
事業内容：スマートロックおよびクラウド入退室管理システムの開発・販売、施設運営BPaaS「Migakun」などnote

2. 主力製品・サービス

Akerun入退室管理システム：後付け型スマートロックとクラウド管理を組み合わせ、オフィス・商業施設・公共施設での入退室管理を実現。note
Akerun.Mキーレス賃貸システム：MIWA Akerun Technologiesを通じて住宅領域向けに提供（鍵レス賃貸管理）。photosynth
Migakun：施設清掃や運営を代行するBPaaS事業。

3. 財務・株価指標

指標	数値	出典
株価（リアルタイム）	¥384	finance.yahoo
時価総額	¥5,959百万円	finance.yahoo
EPS（連結予想 2025/12）	¥17.96	finance.yahoo
BPS（実績）	¥142.23	finance.yahoo
ROE（実績）	7.59%	finance.yahoo
自己資本比率（実績）	62.1%	finance.yahoo
PER（株価収益率）	約17.8倍	note
PBR（株価純資産倍率）	約2.3倍	note
年初来高値／安値	¥413（2025/06/03）／¥254（2025/04/07）	finance.yahoo

PER約17.8倍／PBR約2.3倍のバリュエーションは、同社の黒字化達成や高いサブスクリプション収益比率を踏まえると、成長企業として評価されている水準です。note

III. 合弁会社「MIWA Akerun Technologies」の役割と展開

1. 設立背景・出資比率

2021年1月、鍵メーカー美和ロック（出資比率49％）とスマートロック開発のフォトシンス（出資比率51％）が合弁会社「株式会社MIWA Akerun Technologies」を設立。photosynth
住宅用スマートロック市場において、美和ロックの製造技術とフォトシンスのIoTクラウド技術を融合し、新たな鍵ソリューションを共同開発。

2. 事業内容

住宅向けスマートロック製品「Akerun.M」の企画・開発・販売。非対面・非接触ニーズが高まる中、鍵のクラウド化で安全かつ利便性の高い住宅ライフを提供。
サブスクリプションモデルによる収益化を推進し、長期的かつ予測可能な売上成長を目指す。

3. シナジー効果

美和ロック：国内シェアトップの錠前ノウハウ・製造力・販売網
フォトシンス：クラウド認証基盤「Akerun Access Intelligence」とAPI連携力
両社の連携により、住宅の「鍵」を起点としたスマートホーム化で、賃貸・分譲マンション市場のDXを加速。

IV. 成長戦略と投資家視点

1. 市場機会

国内住宅スマートロック市場は非接触・非対面ニーズの高まりで拡大中。スマートホーム普及率向上、サブスクリプションビジネスとして安定収益化。
法人向け市場では入退室管理ニーズが強く、コロナ禍以降リモート・セキュリティ強化で需要増。

2. リスク要因

美和ロック側：主力「機械錠」事業の成熟化、新規IoT事業への投資回収期間
フォトシンス側：サブスクリプション継続率（Churn）の管理、グロース市場の株価変動リスク

3. 投資ポイントまとめ

美和ロックは非上場ながら国内鍵市場トップシェアを基盤に、IoT事業への参入で長期成長を模索。
フォトシンスは黒字化達成後も高いROE・自己資本比率を維持し、PER17.8倍の水準で安定推移。
合弁会社による住宅向けスマートロック事業は、サブスクモデルで中長期的なキャッシュフロー創出が期待できる。
投資家は、フォトシンス株（4379）の動向を通じて、鍵産業のIoT化トレンドと美和ロックの事業成長を取り込むアプローチが有効。

以上のとおり、美和ロックとフォトシンスの連携は、従来の錠前市場を超えてスマートホームやサブスクリプションビジネス市場への展開を示す好例です。日本株投資の専門家にとって、鍵業界のIoTシフトを俯瞰する上で有益な投資情報と言えるでしょう。

出典