レイヤー1（Layer 1）ブロックチェーンプラットフォームは、ネットワークの基礎構造そのものを提供するブロックチェーン・プロトコルです。具体的には「コンセンサスメカニズム」「トランザクション処理」「データの保存」「ネットワーク参加ルール」といったコア機能を自前で実装し、直接ユーザーやアプリケーションをサポートします。
主な特徴
- 独自のメインネットワーク
- 他のチェーンやネットワークに依存せず、ブロック生成や検証機能を自ら担う。
- 例：Bitcoin、Ethereum、Solana、Avalanche など。
- コンセンサス層の実装
- ネットワーク参加者（ノード）が取引を正当と合意するための仕組みを提供。
- 代表的手法：
- プルーフ・オブ・ワーク（PoW）…Bitcoin
- プルーフ・オブ・ステーク（PoS）…Ethereum 2.0、Solana（PoS＋PoH）
- プルーフ・オブ・ヒストリー（PoH）…Solana 独自の時間証明
- トランザクション処理能力
- 基礎レイヤーでの取引承認速度とスループット（TPS）がそのまま性能を左右する。
- 高速性を重視するプラットフォームでは、並列処理や軽量化技術を導入。
- セキュリティと分散性
- 参加ノード数や合意形成の仕組みが、ネットワークの「改ざん耐性」や「検閲耐性」を決定。
- 分散性を重視する設計ほど、ノードが多様な地理・組織に分散する。
- スマートコントラクト機能
- レイヤー1自体がプログラム可能な環境を持つものは、DeFi・NFT・Web3アプリケーションを直接構築可能。
- 例：EthereumのEVM、SolanaのSealevel並列実行環境。
- ネイティブトークン
- プラットフォーム運営費（ガス代）やステーキング報酬として機能する独自暗号資産を持つ。
- 取引手数料の支払いやガバナンス投票にも利用。
レイヤー1とレイヤー2の違い
| レイヤー1 | レイヤー2 | |
|---|---|---|
| 役割 | 基盤となるブロックチェーン自体 | スケーラビリティ改善や機能拡張のためのサブネットワーク |
| トランザクション処理 | メインチェーン上で直接処理 | オフチェーンやサイドチェーンで処理し、最終結果をメインチェーンへ |
| 例 | Bitcoin、Ethereum、Solana、Avalanche | Lightning Network、Polygon、Optimism、Arbitrum |
レイヤー1は「土台」、レイヤー2はその上に構築して性能や柔軟性を高める「追加レイヤー」とイメージするとわかりやすいでしょう。
まとめ
レイヤー1ブロックチェーンプラットフォームは、ネットワークの中核機能を提供し、直接トランザクション処理やスマートコントラクト実行を行う基盤です。コンセンサスメカニズム、処理速度、セキュリティ分散性、ネイティブトークンの設計が各プラットフォームの差異を生み、エコシステムの発展や利用用途を大きく左右します。投資や開発の観点では、これら基礎性能と採用動向を押さえることが重要です。